2011年9月11日日曜日

9-11 10年目に寄せて

(下記の内容は Google+ にポストしたものを再編集しました)

10年前の今日、イベントを開催するためボストンのオフィスに居た。朝、オフィスに行くといつも軽食をとるために人が集まってくるはずのマイクロキッチンにほとんど人が居ない。

一人だけ上司のディレクターが居た。ディレクターに挨拶をすると、彼はいつものように淡々と話をした。「今日のイベントは中止かもしれないな。ニューヨークのビルにジェット機が突っ込んでね。」
あまりに淡々と話すので映画の話でもしているのかと思った。
(後で、上司のマネージャーが「彼(ディレクター)は年寄りだから、もう何を見聞きしても驚かないんだよ」と言っていた。)

他の同僚たちはキューブ(部屋)に閉じこもってネットでニュースを見ている。ああ、もしかして飛行機が突っ込んだというのは本当の話なのかな、と思って自分もネットでニュースを見ようとした時、皆がざわつき始めた。
二機目がワールドトレードセンターに突っ込んだのだ。ニュースでそれをリアルタイムで見ていた同僚たちはさすがにショックを受けているようだった。
なにせ、その飛行機はこのボストンのローガン空港から飛び立ったものだったからだ。
(私も本来はその3日後にローガン空港からサンフランシスコ行きのフライトに乗る予定になっていた。)
オフィスの中の一人もワールドトレードセンターに突っ込んだ飛行機に乗っており彼の死亡もそのうち伝えられた。

その後、ワールドトレードセンターが崩壊し全米の上空を飛行することが禁じられた。
日本からイベントに来るはずだった顧客の消息もつかめない。ちょうとその頃太平洋上を飛んでいたはずなのだが。(後にアンカレッジに緊急着陸していたと分かった)

イベントは当然中止となったが、フライトは全米で全て止められたので、我々は日本に戻ることはおろか、本社のあるサンフランシスコに行くこともできなくなった。

その日、オフィスでは誰もがキューブに閉じこもり、食い入るようにネットでニュースを見ていた。
いつの間にか死んだ同僚の席には花が添えられていた。
肝が座っているのか、ディレクターの上司だけは相変わらず淡々としていた。

当面ローガン空港は閉鎖される模様だったので、私は一週間程はボストンにいることを覚悟した。
当時は様々な噂が飛び交っており、ローガン空港は閉鎖だが、近所の小さな空港が再開したという噂があって、同僚の一人はサンフランシスコに戻るためにその地方空港に向かった。
(結局、空港は閉鎖されており、その後その同僚は車で陸路サンフランシスコに向かった。)

翌日だったか、オフィス内で大勢が黒服を着てきていた。死んだ同僚の葬式を行ったのだ。
ユダヤ人の喪装というのを初めて見て少し驚いた。

どんな服装だったかは覚えていない。確か帽子をかぶって意外とカジュアルな装いに見えた気がする。
「どうしてそんないつもと違う格好をしているのか」と聞いたら
「今日は◯◯の葬式だから。この服装は俺はユダヤ人だから。」
と彼も少し気まずそうに答えたことは不思議と覚えているのだが。

しばらく仕事をする雰囲気でもなく、本社のあるサンフランシスコにすら帰れないので、既にボストン入りしていた顧客と観光をすることにした。

ボストンは独立戦争当時の名残を多く留める土地柄で、愛国心の強いことでも有名だ。
観光名所を巡る最中、星条旗をそこかしこで見かけた。会社近くのショッピングセンターにも大きな星条旗が掲揚されていた。
ピックアップトラックに非常に大きな星条旗をはためかせて走っているのもよくみかけたが、さすがに写真をとるのは憚られてた。

私たちはそれほど何も感じなかったが、サンフランシスコに残った同僚たちからは市内ではアジア人というだけで韓国人が白人から殴られたという噂も聞こえてきた。
テロの犯人の根拠地はアラブ人、だからアラブ人を含むアジア人全部がアメリカの敵だという酷い思い込みをしている人は少なからずいたようだ。
我々東アジア人から見れば中東の人間はアジアよりヨーロッパに近いとさえ思えるのだが。

それでも、東アジア人はまだましでインド出身のシク教徒は当時よく襲われたようだ。シク教徒はアラブ人とはターバンの形がぜんぜん違うのだが、そんなことも分からない層のアメリカ人には適当な怒りのはけ口だったのだろう。

アメリカの狭量と自分たちが異邦人である心細さをうっすらと感じたのを覚えている。




一週間程たち、国内線が再開するというので私はボストンからサンフランシスコ行きの航空券を取った。
会社からは即時帰国命令が出ていたが、そもそも国際線は再開していないし、日本への直行便がないボストンに居るよりは直行便もあり、本社もあるサンフランシスコに居た方が便利がよさそうだと考えたからだ。

ローガン空港についたが、ワールドトレードセンターに突っ込んだ飛行機が飛び立った空だけあって、セキュリティは異常に厳しくなっていた。
security advisory からのアナウンスが執拗に空港内に流れ、ボディチェックは執拗を極めた。搭乗口にたどりつくまで4回ほどチェックがあったように思う。

あるチェックポイントで私の局部あたりに金属反応がした。すると、男性のセキュリティは一瞬間を置き、そして覚悟を決めたような顔で「Excuse me」と一言いってから、私の玉を掴んだ。
突然でびっくりしたが掴んだ彼もどことなく嫌そうではあった。
国内線のセキュリティなどほとんど何もなかったかつてのローガン空港とは全く違っていた。

搭乗口につくと、ちょうど飛行機が到着して、乗客が降りてきたところだった。どうやらローガン空港再開最初の飛行機だったようだ。
乗客が降りてくると、周囲にいた人は皆拍手で迎えた。
乗客たちの顔はみな紅潮しているように見え、中には泣き出す人も居た。
やがて機長が降りてくると、より一層大きな拍手で迎えられた。
大きな声で泣き出す人もおり、そこかしこで皆抱き合っていた。
感動的な場面だと思うと同時に、そこまで感激できない自分は、やはりこの国では異邦人であるのをし感じていた。

サンフランシスコに帰ってくると、沈鬱なボストンよりは明るい雰囲気なのを少し意外に思った。カリフォルニアの気候のせいだけではないと思う。
ただ、Work From Home (自宅勤務)に切り替えている人は多かったようだ。

その日のうちだったか、翌日だったか国際線のチケットがとれた。会社指定の航空会社ではなかったが、今回はどんなフライト、高い航空券でもいいからとにかく一刻も早く自分の母国に帰るようにという指令が全社的に出ていた。

当時、家族と別にすぐに会いたいともなんとも思ってなかった私には少しこそばゆく感じるほどの指令だった。緊急事態になればなるほど家族と一緒にいることを重視する米国の文化を感じた。

翌日私はサンフランシスコ空港に向かい、日本行きの飛行機に搭乗した。
(上記の玉を掴まれたエピソードはもしかするとこの時のことだったかもしれない)

一ヶ月後、再び出張でサンフランシスコに来た私は、あの車で陸路ボストンから帰ってきた同僚にも再会した。
通常は一週間程かかる行程なのだが、彼は3日間ほど殆ど寝ずに運転してサンフランシスコまで帰ってきたらしい。
その彼に感想を聞いたら、こんな答えが帰ってきた。

I realized USA is really a great country..... 

呆れきったように言う彼の口調に皆、笑い転げた。
ちなみに彼はフランス人。
皆が笑い転げたのは、彼の口調が面白かったのもあるが、9・11後の米国内での凄まじい反応に今ひとつ馴染めない思いを共有してたのもあるのかもしれない。

あれから、10年。

私はなぜか「馴染めない」とどこか思っていた米国に住んでいる。
当時、家族をなんとも思わなかった私だが、あれから二回の離婚と結婚をして、今は当時とは別の国籍の嫁が居て、子供まで一緒にいる。
他人から見れば幸せそうな家庭に見えると思う。

そのフランス人の同僚も、一時フランスに帰っていたものの、今はまた米国に戻ってきて中国系アメリカ人の同僚と結婚してうちの近くに住んでいる。

米国には今一馴染めないと感じていたあの10年まえの気持ちは今でも大して変わっていないが、米国に移りすむ人間は皆多かれ少なかれそういう感情をもつものなのかもしれない。

9・11から今日で10年。
いろんな意味で感慨深い。




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